美味しくて健康的!スタイリッシュな「鬼まんじゅう」4種の味が楽しめる「いろいろ食べる鬼まる」が完成!
- 2022/1/29
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愛知の郷土菓子「鬼まんじゅう」
愛知の郷土菓子「鬼まんじゅう」をご存知ですか?
戦中戦後の食糧難の頃、比較的容易に手に入りやすかったサツマイモに、小麦粉を合わせて作られたおやつで、安価で腹持ちも良いことから、郷土食として定着しました。角切りのサツマイモのゴツゴツした見た目が、鬼のツノや金棒に見えることから「鬼まんじゅう」と呼ばれるようになったと言われます。
そして現在も親しまれるサツマイモのお菓子です。
あるリサーチ会社の調査で、日本全国の15歳から59歳の男女を対象に、サツマイモを使った料理は好きですかというアンケートを実施したところ、「とても好き」「やや好き」を合わせると、女性のおよそ8割、男性のおよそ7割が好きと回答したという結果が発表されていました。サツマイモは人気の農作物で、近年、サツマイモに特化したスイーツ店も増えています。
特に女性はサツマイモが好きで、食物繊維の豊富さや、加熱しても壊れにくいビタミンCなど、栄養機能面でも女性には嬉しい側面があります。
「農園そもそも」鈴木さんが育てるこだわりのサツマイモ
豊橋のサツマイモ農家、鈴木さん。以前は少量多品目の野菜を栽培されていましたが、現在はほぼサツマイモのみを栽培。紅はるか、紅あずま、安納芋、ふくむらさき、シルクスイートなど、様々な品種を栽培。苗を植える時期や角度などを調整することで、イモの大きさや収量、収穫時期なども調整されています。
そして最も鈴木さんが大切にしているのは土づくり。
豊かな土壌微生物の世界を育てることが重要で、野菜はその副産物だと考える鈴木さん。微生物との共生可能な農業を続けるため、農薬、化学肥料、動物性堆肥、除草剤を使わず、肥料は植物を使った緑肥を使用しています。
虫の駆除は手作業で行い、手間をかけ、安心して食べられるサツマイモ作りをされています。葉がしっかりと日光を浴びて光合成できるよう、ひと株あたり通常の3倍の広さで栽培。こうすることでサツマイモが甘みを蓄えながら育っていきます。
4月末から6月にかけて植え付け。お盆頃から収穫。9月から出荷。6月頃まで販売されます。
サツマイモは貯蔵ができ、加工もできるため、いろんな楽しみかたができ、様々な可能性もあります。
栽培するだけでなく、活用方法や売り先も考えます。焼き芋、干し芋、スイーツなど、様々な試作にも取り組まれています。農業はただ栽培するだけでなく、その先のことまで考えていくことが大切なのですね。
そんな鈴木さんは、鬼まんじゅうの試作もされていました。鬼まんじゅうは、少しの砂糖と少しの小麦粉(または米粉)で作るお菓子で、サツマイモが主体です。お芋の味がダイレクトに伝わるお菓子です。
余分なものを加えずに作るお菓子であり、健康的なおやつとも言えます。こだわりのサツマイモを前面に押し出した加工品を作るのであれば、鬼まんじゅうが良いのでは・・・ということで、鬼まんじゅうのブランディングが始まりました。
生産者と大学生の連携によるブランディング。こだわりを大切にしつつ、求められる商品を作る。
東三河地域の振興を、愛知県全体の飛躍に繋げること、振興施策推進の仕組みとして「東三河県庁」が位置づけられました。東三河の地元事業者の持つ高いポテンシャルを十分に生かし、地域を代表する魅力的な商品を生み出すためには、事業者独自の取り組みではなく、専門的な知識を有する協力者などとともに、多角的な視点で、商品開発やPRを行なっていく必要があると考え、推進事業を展開。2019年度からは、地元事業者と学生が協力して行う商品開発などの取り組みを支援しています。
豊橋市では大学との連携を積極的に進めており、今回は愛知大学の学生さんと「農園そもそも」の鈴木さんが、協力して「鬼まんじゅう」の商品開発に取り組むことになりました。商品イメージ、食べたいシチュエーション、ネーミング、キャッチコピー、容器の仕様やデザインなど、自分が実際に購入して食べることをイメージしながら、意見を出し合います。「カラフルな鬼まんじゅうがいい」「一口サイズがいい」「手を汚さずに食べ歩きできるものがいい」「品種の異なるサツマイモで作った鬼まんじゅうをセット売りする」「お土産にしたい」などのアイデアが集まり、試作品が完成。
2021年12月、豊橋駅前通りに新しくオープンした施設「エムキャンパス」で開催されたマルシェイベントで、試作品のお披露目となりました。アイデアを元に完成した試作品は、4種類の小ぶりなサイズの鬼まんじゅうが、片手で持つことが可能なカップに入っていました。紅あずまのプレーン、紅あずまのシナモン味、ふくむらさき(紫芋)、紅はるかのレモン味という4つの味。
鬼まんじゅうと言ったら見た目は黄色で、シナモン味やレモン味など、これまで見たことがないです。1つ1つが美味しいです。腹持ちの良い鬼まんじゅうは、従来の品であれば、1つで満足してしまうことが多いですが、「いろいろ食べる鬼まる」は、一口サイズで、それぞれ味が違うので、次の味も食べたくなって、ぱくぱく食べてしまいます。これはさすがのアイデアです。
見た目も紫色が1つ入っているだけで、ポップで洗練された感じです。食べるワクワク感があります。従来の品はお惣菜のパックのような平たい容器に入っているイメージがありますが、縦型のカップに入っていると、持ちやすいだけでなくスタイリッシュです。
ラベルには可愛らしい書体で「いろいろ食べる鬼まる」と書かれています。このネーミングで、商品がどういうものか伝わります。描かれた鬼まるくんも、つぶらな瞳で控えめな感じが、シンプルでハイセンス。これからの経済を支える若い層が、実際に買いたくなるものを考えてアイデアを出しているので、昔からある鬼まんじゅうがブラッシュアップされ、世代を問わないお土産品として、これからさらに愛される商品になっていくと感じました。
「いろいろ食べる鬼まる」完成!豊橋を訪れたら、ぜひ手に取ってみてほしい!栽培方法にこだわり、安全で美味しいサツマイモを使った、ここにしかない鬼まんじゅう。
一過性の流行り物ではなく、鬼まんじゅうそのもののクオリティも上質。昔ながらの郷土菓子でありながら、大学生のアイデアにより、今のニーズに対応したカタチとなって、世代を問わずに求められる商品が誕生しました。
現在は、毎週金曜日開催の朝市と、不定期開催のマルシェイベントでの販売となっていますが、今後の販売の拡大が楽しみです。
*販売予定
・豊橋有機農業の会・朝市 毎週金曜8:30〜10:30
・まちなかマルシェ 2月27日 豊橋駅前
ライター:勝田紀久子
野菜ソムリエプロ フードツーリズムマイスター
看護師 看護学校教員 いちご大学公認ライター
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