白いさつまいもから作る伊豆七島・新島の芋焼酎「七福嶋自慢」

調布飛行場から約40分で到着する東京のリゾート「新島」。ここで作られている芋焼酎「七福嶋自慢」をご存知ですか?

「七福嶋自慢」は、あめりか芋と呼ばれる白いさつまいもを使った逸品で、芋焼酎初心者でも楽しみやすい魅力的な芋焼酎です。今回は、「七福嶋自慢」について、蔵元である株式会社宮原の宮原淳さんにお話を伺いました。

伊豆諸島・新島の芋焼酎「七福嶋自慢」

産地 東京都・新島
酒類品目 焼酎乙類(単式蒸留焼酎)
度数 25度
さつまいもの種類 あめりか芋(七福)
麹菌の種類 白麹
製造方法 常圧蒸留

「七福嶋自慢」の味わいについて、「麦麹の香ばしさ、あめりか芋の甘さたっぷりの焼酎です」と話す宮原さん。

芋焼酎といえば米麹で作られるのが一般的ですが、東京・伊豆諸島の島酒は芋焼酎にも麦麹を使用します。そのため、あめりか芋の甘みだけではなく、麦麴のさわやかな香ばしさもしっかりと感じられるのが特徴です。

「七福嶋自慢」の製造方法は伝統的な常圧蒸留。あめりか芋の甘みや香りがたっぷりと活かされており、毎日飲んでも飽きがこない美味しさです。

以前は新島の楽しさをイメージしたポップでカラフルなラベルで販売されていましたが、令和元年10月にラベルをリニューアル。「最高峰の焼酎」というコンセプトに合わせて、高級感のあるスタイリッシュなラベルデザインに変更されました。

〇おすすめのペアリング

宮原さんは、「島の料理では、くさや、明日葉料理のような個性の強いものから、島寿司(漬けのにぎり)やたたき(魚のすりみ)などにもよく合います」と話します。

「七福嶋自慢」は、どのような料理にも合わせやすいのがポイント。甘さが気になるかと思いきや、麦のキレがあるので肉料理との相性が抜群。島酒だけあり、あっさりした魚料理にもピッタリあいます。

宮原さんに、おすすめの飲み方を伺ったところ、「どのような飲み方でお美味しく飲めますが、個人的に好きなのは常温の水割りと、ぬるいお湯割りです」と教えていただきました。

芋焼酎は、原料となるさつまいもの個性も大きな特徴のひとつ。香りを楽しめるお湯割りはとくにおすすめです。

原材料は白くてちいさな「あめりか芋」

(あめりか芋 画像)

「七福嶋自慢」は、あめりか芋と呼ばれるちいさなさつまいもを原料としています。

砂地に覆われていいる影響で稲作に適さない土壌をもつ新島。かつては島の貴重な食料として、あめりか芋が造られていました。

あめりか芋はもともとイタリアで造られていた品種ですが、1830 年代にはアメリカに伝わり、1900年頃に日本にやってきました。風土を選ばず育ち、貯蔵性が高いなど7つの特徴があることから別名「七福」といわれています。

あめりか芋の特徴はその糖度。14〜18度と一般的なさつまいもに比べ高く、甘みが強い品種です。食感はホクホク~しっとりとさまざま。割ってみないとわからない楽しさがあります。

〇焼酎のために復活したあめりか芋

「七福嶋自慢」が生まれたのは、平成24年です。

かつては株式会社宮原でも芋焼酎を造っていましたが、昭和後半には麦焼酎のみとなっていました。というのも、あめりか芋は古くから新島で造られていたさつまいもですが、あくまで「自分たちで食べるもの」という存在。昭和40年代以降には国内の流通が安定し、麦製品が台頭したことで、あめりか芋の生産も減少していきました。

さて、第三次焼酎ブームで芋焼酎の盛り上がりに着目した宮原さん。平成半ばには、あめりか芋を原料とした芋焼酎を造りたいと考えていました。しかし、すでに希少な存在となっていたあめりか芋の確保には非常に苦労したそうです。

平成15年に前身となる芋焼酎が誕生します。現在では、地元農家さんなど各方面の協力もあり、あめりか芋の生産数は増加。新島の特産品としてあめりか芋自体や加工品の販売も行われるようになりました。

まさに「七福嶋自慢」は、あめりか芋復活の立役者といえるでしょう。

取材協力 株式会社宮原 新島酒蒸留所

株式会社宮原では、「七福嶋自慢」の通信販売を行っていません。

取扱店については、公式サイトまでお問い合わせください。

所在地:〒100-0402 東京都新島村本村2-4-2

公式サイト: https://shimajiman.com/

ライター:マキタ ミク
横浜市在住1992年生まれ。
酒と珍味とおうち時間をこよなく愛するフリーライターです。
美味しいものと可愛いものを取材するのが大好き。
ほぼ毎週芋をふかして親子で食べています。

【Twitter】https://twitter.com/makita_0211

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