品種によって味が違う!芋焼酎に使う「さつまいも」の種類と特徴
- 2024/6/25
- コメントを書く
焼酎のなかでも個性的な風味や香りを特徴とする銘柄も多い芋焼酎。
その原材料となるさつまいもの種類は、なんと40種類以上も存在します。
今回は、数あるさつまいものなかから、芋焼酎の原材料として人気のある品種を紹介します。
バリエーションが豊かな焼酎用さつまいも
かつて芋焼酎に使用するさつまいもといえば、黄金千貫が主流でした。
平成にはいってからは、黄金千貫を改良した「ジョイホワイト」が誕生。さらに第三次焼酎ブームを迎え、さまざまな種類のさつまいもから焼酎が造られるようになりました。
焼酎用に開発されたさつまいもは、比較的デンプンの含有量が多いのが特徴。
一般的な料理用さつまいもは糖度が高く水分が多いため、甘味が強くしっとりとした食感が特徴です。対して焼酎用のさつまいもは、デンプンが多く、ホクホクとした食感。焼酎用のさつまいもも食べることはできますが、甘味が少なく、料理には向かない品種が多数です。
ちなみに、現在では40種類以上のさつまいもが焼酎の原材料として使われています。その見た目や味わいは個性豊かで、なかには白やオレンジの外皮をもつさつまいもも存在します。
焼酎用さつまいもの主な種類と特徴
焼酎に使われるさつまいもは、大きく分けて4種類あります。
それが「白系」「紅系」「橙系」「紫系」の4つ。ここからは、それぞれ代表的なさつまいもの主な種類と特徴・できあがる焼酎の傾向について紹介します。
〇白系「黄金千貫(コガネセンガン)」
白に近い黄色の外皮と白い中身をもつ黄金千貫。
デンプンの含有量が多く、アルコールが生成しやすいため、焼酎の原材料として優れているのが特徴。かつては芋焼酎といえばこの芋であり、現在でも数多くの芋焼酎が黄金千貫を利用して造られています。
甘みのあるコクと風味のバランスがよい味わいは、芋焼酎通から初心者まで幅広く人気です。
〇白系「ジョイホワイト」
その名のとおり外皮も中身もまっしろなさつまいもです。
芋焼酎のために開発されたさつまいもで甘味がなく、食用には向いていません。ところが、焼酎になるとフルーティーな味わいに変化。あっさりした口当たりで、芋焼酎初心者でもい飲みやすい焼酎が多いのが特徴です。
〇紫系「ムラサキマサリ」
深い赤紫の外皮と中身をもつのは、「赤霧島」の原材料としてもでおなじみムラサキマサリ。強い抗酸化作用をもつポリフェノール「アントシアニン」を豊富に含んでおり、アンチエイジング効果が期待できるといわれています。
ムラサキマサリをはじめとする紫芋から造られる芋焼酎は、赤ワインに似た風味が特徴。華やかな香りとフルーティーで軽やかな飲み口で、すっきりとした味わいの焼酎に仕上がります。
〇紅系「紅さつま」
「サツマイモの王様」とも呼ばれる紅さつま。赤紫の外皮に淡い黄色の中身と、見慣れたさつまいもの姿。料理の材料や焼き芋にしても美味しく、さつまいも本来の甘さとホクホクとした食感に懐かしさを感じます。
紅さつまを使った芋焼酎は、さつまいもの甘さと香りの調和がとれた、さつまいもらしさが特徴。ふかしいもにも似た風味が楽しめます。
〇白系「白豊(シロユタカ)」
主に鹿児島県・種子島で作られる真っ白なさつまいもで、糖度が非常に高いのが特徴です。白豊を使った焼酎はさつまいもの甘い香りがふんわりと甘い香ります。反してのど越しはコクのある淡麗系。しっかりとした芋焼酎らしさが楽しめます。
〇橙系「タマアカネ」
ジャガイモのような丸いフォルムにオレンジ色の外皮と中身をもつタマアカネ。このさつまいもを使用した焼酎は香り豊かで、香りを紅茶や金木犀に例える人もいます。
奥深い甘味とコクが魅力で、芋焼酎初心者にも人気です。
さつまいもの個性を楽しもう
芋焼酎は、使用するさつまいもの品種によって風味や香りが変わります。また同じさつまいもを使っていても、他の原材料や製造工程の違いなどによって変化が生まれます。なかにはさつまいもの生産から手掛けたり、原産地にこだわりのある蔵元も。
さつまいもの種類にこだわって芋焼酎の飲み比べをしてみるのも面白く、おすすめです。
ライター:マキタ ミク
横浜市在住1992年生まれ。
酒と珍味とおうち時間をこよなく愛するフリーライターです。
美味しいものと可愛いものを取材するのが大好き。
ほぼ毎週芋をふかして親子で食べています。
【Twitter】https://twitter.com/makita_0211
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。