もはやスイーツ!もとざわ有機農園・焼き芋の干しいも

群馬県にほど近い栃木県足利市に、近年サツマイモ好き、スイーツ好きに注目を浴びている干し芋「焼き芋の干しいも」を製造販売している「もとざわ有機農園」があります。有機農法によって自ら育てたサツマイモを使い、手作業で丁寧に作られていく2種の干しいも、特に「焼き芋の干しいも」の美味しさは、TVや新聞でも大絶賛。そのおいしさの秘密に迫ります。

ねっとりとした食感と、噛めば噛むほどジワ~っと口の中に甘みと旨味が広がる「干しいも」。
お母さんも、おばあちゃんも、きっと食べた、素朴だけど深い味わいの日本の伝統食です。

干しいもの発祥の地は、静岡県。江戸時代に、静岡県の大澤権右衛門(おおさわごんえもん)が、遭難した薩摩の船を助けたことがきっかけとなり、静岡県にさつまいもがもたらされました。さらにその後、茹でたさつまいもを薄く切って干す方法が考案され、これが「干しいも」のはじまりとなったと言われています。

現在、干しいものの全国シェア9割を締めているのは「茨城県」。筆者も干しいもが大好き! 茨城に仕事に出かけるたびに楽しみに購入しています。しかし最近、さつまいも好きの熱い視線を集めている「干しいも」が栃木県にあると知り、早速、噂の干しいもを求めて行ってきました。

テレビや新聞にも紹介されている噂の「干しいも」を販売しているのは、群馬県にほど近い栃木県足利市の「もとざわ有機農園」。

もとざわ有機農園の「干しいも」の一番人気は「焼き芋の干しいも」。なんと、焼き芋の形そのままのゴロッとした干しいもです。家に帰るまで待ちきれずに、「干しいも」と「焼き芋の干しいも」を購入し、まずは車の中でお味見。

 

干しいも&焼き芋の干しいも、どちらも美味しい~!

こちらは、茹でたさつまいもを薄く切って干した、伝統の干しいも。表面についている白い粉は、さつまいもの糖分が乾燥して結晶化し、表面に現れた麦芽糖です。さつまいもの乾燥が進むと歯応えが増し、硬めになり、この白い粉が多く現れてきます。

「もとざわ有機農園」の干しいもは、その乾燥具合が絶妙!
しっとりとしたやわらかな食感が残りつつ、適度な歯応えがあり、噛むほどに優しい甘みが増し、口の中で美味しさが増幅していきます。

そしてこちらが噂の「焼き芋の干しいも」。
いやあ、これはスゴイ! ねっとりとしていますが、通常の干しいもより、はるかにやわらかく、しかし、その中にも優しい噛み応えがあります。そして、その上品な甘み! さらに驚くことに、この干し芋を食べていると、なぜか焼き芋の、あの幸せなホクホク感が脳裏に呼び起されるのです。美味しいと言われる干しいもを、けっこう食べている干しいも好きの筆者ですが、これは衝撃的な美味しさでした。

この2種類の干しいもに使うサツマイモは、「もとざわ有機農園」の自社農場で作る有機栽培の「べにはるか」。実は元澤さんは、この「べにはるか」との出会いによって「干しいも」作りを本格的に行うようになったそうです。

有機JAS認定「べにはるか」作り~干し芋の完成まで

元澤さんは、もとは会社員として働いていましたが、1980年代に「日本有機農業研究会」と出合い、有機農業に興味を持ち、ついに2001年に会社を退職し有機農家として農園を始めました。当時は約50種類の野菜を有機栽培し、オーガニックの野菜セットにして、宅配販売を行っていました。サツマイモもその中の一つで、干し芋にしてセットの中に入れることもあったそうです。

そして2010年、元澤さんは「べにはるか」という新しい品種のサツマイモを知り、栽培・干し芋の販売を始めました。べにはるかは、デンプンを糖に変える酵素が多く甘みの強いサツマイモ。またきれいな黄色の色をしているので、干し芋にピッタリの品種。元澤さんの干し芋の美味しさは評判になっていきます。

さらに、ある日、たまたま家に1台あった焼き芋機で焼き芋を作り干しいもにしてみたところ、甘みも食感も抜群の干しいもが完成! いまでは5ヘクタールの畑のほとんどを、べにはるか栽培にあて、栽培から商品販売まで一貫して行っています。

安全でおいしいさつまいも作りは、畑に麦をまいて害虫を抑えることから始まります。さらに堆肥を入れて土づくり。フカフカの土と、自然の恵みをいっぱい受けて育ったさつまいもは、9月から11月の間に収穫し、貯蔵します。干しいもの加工は12月から2月に行います。

通常の「干しい」もは、さつまいもを洗い茹でて切って干しますが、「焼き芋の干しいも」はさらに手間をかけて作ります。まずは洗ったさつまいもを皮付きのまま、オーブンで1時間半から2時間かけ、低温でゆっくり焼き上げます。低温で時間をかけて焼くことによって、甘さが増していくからです。

さらにこの焼き芋を一度冷凍します。焼き芋は凍らすと細胞が壊れ、よりクリーミーに、しっとりと仕上がるのだそうです。


冷凍したさつまいもは、ゆっくり常温で解凍。ひとつひとつ皮をむいたのちに、ビニールハウスの中に広げて、10日から2週間をかけて干しあげます。

完成した「干しいも」は、丁寧に、一つずつパッキングされていきます。これらの作業は全て、元澤さんご夫妻と、約20名のパートさんたちの手作業で行われています。

こうして土づくりから手間暇をかけ愛情を注いで作った、有機JAS認定の「べにはるか」で作られた2種類の干し芋は、足利市県町の農園併設のショップの他、以下の場所でも購入が可能です。

山清フード http://yamasei.chiharuya.com/index.html
JA足利農産物直売所あんあん

太平記館 https://www.ashikaga-kankou.jp/spot/taiheikikan

足利観光交流館「あし・ナビ」https://www.ashikaga-kankou.jp/spot/ashinavi

道の駅どまんなかたぬま https://domannaka.co.jp/
道の駅きつれがわ https://michinoeki-kitsuregawa.jp/

道の駅うつのみや ろまんちっく村 https://www.romanticmura.com/

日本の御馳走えん https://www.marunouchi.com/tenants/4016/index.html
スカイツリー内 「とちまるショップ」http://www.tochimaru-shop.com/
ネットショップ https://item.rakuten.co.jp/monmiya/50000178/

冷やして食べてもアツアツで食べても美味しい!

「焼き芋の干しいも」はそのまま食べても美味しいけれど、冷やして食べたり、オーブンやグリルでアツアツにして食べるのもオススメ。

冷やして食べるとまるでスイーツ。生クリームやアイスクリームを添えると、贅沢なデザートの一品に早変わり! アツアツにして食べると、食感がさらに柔らかくなり、噛む必要がないほどになめらかになります。常温で、冷やして、温めて・・・「干し芋」の深~い魅力に、ハート撃ち抜かれてくださいね。

「もとざわ有機農園の基本情報」
住所:栃木県足利市県町830
電話: 0284-71-5622
直売所: 12月から4月は無休、それ以外は要問合せ
営業時間: 8:00〜19:00頃
駐車場: 有り

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