元禄時代から続く持続的循環型農業 三富落ち葉野菜研究グループのご紹介

三富落ち葉野菜研究グループについて

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 三富落ち葉野菜研究グループは、三芳町上富で昔ながらの農法を大切にしながら農業を行っている農業経営者のグループです。始まりは1997年。三芳町主催の三富新田開拓300年記念事業のお手伝いをしたことがきっかけでした。当時は「若手農業後継者の集まり」と説明していたのですが、気がつくといつの間にか経営者として次の世代に三富新田を引き継ぐ責任を負う立場となっていました。

でも大切にしていることはその当時から何も変わっていません。
 先祖から受け継がれた屋敷、畑、ヤマ(平地林)の3つをまもり、平地林の落ち葉を利用した『落ち葉堆肥』をつくり、特産品のサツマイモやサトイモなどを育てる『持続的循環型農業』を続け、おいしい野菜をつくっています。私たちの農業を特徴づける『落ち葉堆肥』。これは自然に生えた樹々の落ち葉を集めるのではありません。

三富新田を守るように囲む緑、これは300年以上前に先祖たちがこの地を豊かな農地にしようと一本づつ植えたコナラやクヌギなどの広葉樹の子孫たちです。
この地でヤマと呼ばれるこの平地林を大事に管理し、堆肥となる落ち葉を収穫する。

私たちの農業はヤマを大切に育てることからスタートしています。

三富新田とは

  三富新田は武蔵野台地北東部に位置し、川も少なく水の便が悪い。
  土質は火山灰の降り積もった関東ローム層。土の粒子は細かく、乾燥している時は容易に飛ばされやすいがひとたび雨が降れば粘土状になり足をとられるほどぬかるむ。古来より水に恵まれず植物が少なかったためクロボク土ほど豊かではなかった。

  風の強い関東平野のなかで風除けになるような低山も無く植性に乏しいため風を遮るような森も成長しなかった。
  そのような場所で繁茂したのがカヤ(ススキ)。開拓前は秣場と呼ばれ近隣の入会地であった。

〇開拓
  1694(元禄7)年、川越藩主になって間もない柳沢吉保は広大なカヤ野原だったこの地の開拓に着手した。
  水が無いこの地を農地にするために、まずは防火のために開拓地を幅4間(7.2m)又は6間(10.8m)という当時としては非常に広い道路で分けた。
  この道路を中心に、農家一戸あたり幅40間(73m)奥行375間(682m)の短冊形の5町歩づつの土地を割り当てた。かなり広い土地だがやせた土地で水もないことから,このくらいの広さがなければ生活が成り立たないと考えたのではないか。
  当初の入植者は上富村143戸 中富村48戸 下富村50戸。
  飲料水の確保のためには農家15軒あたり1本程度の深井戸を掘った。それでも日照りが続くとすぐに枯れてしまい、農業に忙しい大人に変わって子供たちが柳瀬川まで飲料水を汲みに行った。
  なお、平地林や屋敷林が成長すると樹木が地下水をくみ上げるようになったことから、井戸の水位が上昇してきたと言われている。

​〇屋敷林
  開拓農家は道路に面したところに家を建て周りをケヤキ、スギ、カシ、竹等で囲んだ(屋敷林)。これらの樹木は建材や日常の道具作りに役立つとともに強い風を防ぎ、防火や夏の暑さをしのぐ効果も高い。

〇ヤマ(平地林・雑木林)
  土地の屋敷林と反対側の端にはコナラやクヌギなどの落葉樹を植えた。落葉樹はその落ち葉を集めて堆肥とし重要な肥料となった。さらにコナラやクヌギは一定期間ごとに伐採され新河岸川を通じて薪として江戸へ運ばれた。樹々は地上30㎝ほどの高さで定期的に伐採され萌芽更新により再生された。

〇畑
  屋敷林と雑木林の間が畑となり、隣の土地との境界線には当初は卯木(ウツギ)、後にはお茶の木を植え風除けとすることにより畑の土が飛ぶことを防いだ。

  このあたりには「一反の畑に一反のヤマ」という言葉が残っている。畑の肥料として落ち葉を集めるためには同じ広さのヤマが必要ということである。
  そのため、当初は畑とヤマの広さはほぼ同じであった。

  地域全体を緑が何重にも守る現代に続く三富新田の景観​はこのようにして出来上がったのである。
   ※メンバーのホームページでもう少し詳しく説明しています。
     オカメインコの父Home
 

三富の農業の特徴
・一戸当たりの耕作面積が広い
・東京都庁から直線で23㎞という場所ながら地域に占める農地面積が広い
・農業後継者問題が比較的少ない
・サツマイモ(川越芋)という特産品がある
・・・これらを支えているのが落ち葉堆肥を活用した持続的循環型農業です。

三富新田の持続的循環型農業

・ヤマ掃き(クズ掃き)
農閑期の12月から1月ころまでに一家総出でクズ掃きをします。落葉樹の葉がほとんど落ちているうえに天気も安定しているこの時期でないと大切な堆肥を作ることはできません。
本来は常緑照葉樹林帯であるこの地にあえて落葉樹であるコナラやクヌギを植えているのはこのためです。
集めた落ち葉は発酵させて貴重な肥料となりました。

​ さらに、堆肥が発酵するときに発生する熱を利用してサツマイモの苗床を作りました。この温度は50度くらいにもなります。
もともと暖かいところの作物であるサツマイモの育成が江戸時代の埼玉で成功したのは、この堆肥の発酵熱を利用した栽培方法を発見したからなのです。

​近年「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」という言葉をよく聞きます。
街を歩いていると胸にカラフルなピンバッジをつけている方をよく見かけます。
環境負荷を少なくし持続可能であることは農業でも重視されています。

​三富の農業はススキしか生えない痩せた土地を落ち葉など自給できるものを使って農作物を収穫できる農地に変えてきました。
もともと農業は自然と共生しながら発達してきましたが、三富では320年以上にわたって農業が続くことによって豊かな自然環境が現在まで守られてきました。

​私たち「三富落ち葉野菜研究グループ」はご先祖達が300年以上伝え続けてきてくれた持続的循環型農業を今も大切に継続しており、何とか次世代へバトンを渡したいと努力しています。

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